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執筆者の写真Chako

リテール金融:AIによって減る仕事、増える仕事

AI(人工知能)やロボットによって人間の仕事が取って代わられるのではないかと言う懸念は日本でも強いですが、米国でもまさにその通り。





今回は、最近出席した講演会でまさにその話題のレクチャー、特にリテール金融機関についてのものがあったので簡単にまとめてみました。


シリコンバレーでの基調講演


レクチャーは11月にシリコンバレーで行われた「AIエクスポ」の、エンタープライズ部門の基調講演。米国大手調査機関フォレスタリサーチ(Forrester Research)のハード・スミス氏によるもの。


まず懸念事項については、現在ある仕事の80%が2030年までに、AIによって何らかの影響を受けるとされている


今回のテーマであった「リテール金融機関の業務」では、気になるのが金融機関の職種のうち、どこにどんなインパクトがあるかと言うこと。


まずAIによる全体的な影響ですが、2030年までに差し引き16%のマイナスとされており、16%の職がAIによって減る。


すなわち現在の金融機関の職種のうち29%がAIやロボットによってとって変わられ、一方AIによる新しい職種の創出が約13%になると言う予測です。金融機関側で何もしなければ30%近くの職種がAIにとって変わられると言うことで、これはもちろん雇用機会のインパクトとしては非常に大きいです。



AIに出来る仕事は?


AIにできることは色々あるが、ここではまず、顧客にとってこれがどういった影響与えるか考えてみましょう。これを「顧客のライフサイクル」側から考える、つまり、AIが顧客をどういった形でサポートするか、また顧客にとってどんなインパクトがあるかと言うことである。





まず最初は見込み客からの口座開設・取引申し込みなどの際に使われるサイバーセキュリティー対応、それから顧客サービスのコールセンターなど。この部分はすでにある程度、AIによる対応が進んでいます。


その次に進んだのが金融商品をロボット化することであり、電子取引への対応、ロボアドバイザーや金融商品の選択のアドバイスをある程度までロボットが行うなどが挙げられます。


次に、この先の金融商品開発や、非常に緻密化した顧客のパーソナライズレーションなど高度な部分。それぞれの顧客一人ひとりに合わせた適切な金融サービスの提供にAIを使用することで、これもかなり進んできている。


マーケティングにおいてもこの先は「マスマーケティングではなく」、むしろその正反対の「マイクロマーケティング」、すなわちそれぞれの顧客一人ひとりに1番合ったようなターゲットメッセージを送ってマーケティングするということ。


この部分はAI・ロボットで完結ではなく、AIで分析した顧客一人ひとりに適した金融商品を、人間のアドバイザーが薦める、というようなハイブリッド利用も進んでいます。


こういったAIのマッピングはいろいろなセクターに適応できますが、金融業界はこの中でAIが比較的進んだ業界です。


一寸長くなりそうなので続きはまた、明日書きます。



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著者について

 

 

在米30+年、サンフランシスコ近郊在住の金融戦略コンサルタント。主に日本の金融業向けに米国フィンテック事情・フィンテック・ベンチャーを参考とした金融イノベーション戦略、ベンチャー提携サポートを提供。

証券・銀行・投資業務・フィンテック・ベンチャー参加を経て独立。

東京外国語大学卒業、スタンフォード大学MBA。

 

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