Finovate Fall:Yext
更新日:2020年9月20日
ウェブサイトで見込み客が探す情報を的確に表示するエンジン
Finovate1日目のデモのうちもう一つ、すぐに使えそうで(おそらく)ROIが高いのじゃないかと感じたのがこれ、Yext(イェクスト)です。
一言でいうとビジネスが持っている情報を整理、ウェブサイトに来た顧客・見込み客が知りたい情報を的確に得られるような検索システム。
企業は通常、見込み客を自らのウェブサイトに誘導する(見つけてもらう)のには多大なコストを払う(だからGoogleがあんなに儲かっている)が、一方、一旦来た見込み客を引き留めるための工夫は意外にされていない。
見込み客は、探している答えがウェブサイトで見つからなければサイトでの検索を諦め、Google検索にもどる。そこでは、競合他社の情報を含め多数の情報・リンクが提示され、見込み客が競合他社にいってしまう可能性が極めて高い。
特に、金融機関にとっては一件の「申し込み」の価値は高いのだが、それを探しにせっかく来た見込み客が、探している商品・サービスが上手く見つからないためにウェブページから離れてしまうことが多い。
本日のデモでは、特に金融業界を対象とし、こういった顧客を惹きつけておくシステムを数週間(通常6~8週間)で導入しマーケティングROIを得られるシステムは今のところ、同社が唯一とのことであった。
こちらのデモ画面は米国でコロナに対応し、中小企業援助のためのPPPという政府補助ローンの応募画面。
SBA(Small Business Administration、中小企業庁)と言う米国中小企業育成の政府機関の画面だが、
「PPPローンの応募資格は?」
という質問に対し、
「申し訳ありません、その質問に該当する情報はありません」
とでている。
こういった、答えが出ない得られない時に顧客がとる行動はGoogle検索し、回答を出してくれる他のサイトに行くこと。中小企業庁の場合は競合の銀行等があるわけではないがこれが金融機関の場合Googleサーチに行けば競合企業からのオファーが目につくことになる。
このケースだとGoogleサーチの結果として6000件ほどの検索結果が上がってきて、その中には当然競合企業からのリンクもあることになる。
これにたいして、下図はGoogleが2016年以降取り入れているサーチ結果だが、リンクのみでなく、検索の答えに関係がありそうな情報やリンク、または似たような質問というのが一度に表示される。
企業のホームページも少なくともこのレベルの「答え」が得られるような検索システムを用意するべきで、その早道がYextというわけである。
Yextのエンジンを採用した場合、サーチの内容によって異なったページ、異なった情報が出てくる。一例は「最寄りの支店」とのサーチの場合顧客は一番近い支店と、その支店までの道順が知りたい場合が最も多いためその情報(ロケーションに応じて最短距離の支店と道順)が表示される、といった具合。「最寄りの支店」を検索しているのに「オンライン申し込み画面」を出しても仕方が無い、というわけである。
確かに、業者のサイトで情報を検索する際に探している答えが全く出てこなくてフラストレーションがたまることは結構多い。サイトに来てもらうためにサーチエンジンなどに多大の投資をしていることを考えると、一考の余地あり、と感じた次第である。
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