米国フィンテック最近の大型買収のまとめ
昨年に引き続き、2020年は年明けからまだ2ヶ月しかたっていないに、数千億円以上の大型買収がフィンテック業界で続いています。
年明けすぐにクレジットカード大手のVisaが既存の銀行とフィンテック企業を技術的につなげる裏方の役割をしているPlaidプラドを買収した件は簡単にYouTubeのビデオを作ってアップしました。
これらの大型買収は簡単にまとめると以下の通り。
Intuit buying Credit Karma for $7.1 billion. (約7700億円)
PFM会計ソフト大手のIntuitがクレジットカード比較サイトを巨額で買収
Morgan Stanley buying E*Trade for $13 billion. (約1兆4000億円)
1990年代後半、第1次フィンテックブームのオンライントレード大手、ETradeが投資銀行大手により買収
Visa buying Plaid for $5.3 billion (約5700億円)
(前述)
Lending ClubがRadius Bank買収 $185 million (約200億円)
(P2Pフィンテック大手が既存の銀行を逆買収)
ちなみに2019年は
Charles Schwab buying TD Ameritrade for $26 billion.
PayPal buying Honey for $4 billion.
これらの超大型の買収に共通しているのは主に既存の金融機関が比較的新しいフィンテック企業を買収している点で*、買収の理由としては、ユーザーベースが巨大となり、大量の消費者データを保有している。またそれらのユーザベースを収益化する実力がついてきている。
こういった条件をかね備えたフィンテック企業に、既存の業界から巨額の投資額を支払うほどの魅力ができているということといえます。
(*Lending ClubのRadius Bank買収はめずらしい逆パターン。これについてはまた、ブログします。)
今後もこういったフィンテックの買収は続くと思われ、例えばアメリカの超大手金融企業であるJPモルガン(チェース銀行の持ち株会社)のCEOm、Jamie Damon氏は、今年ますます全面的に買収に積極的になるだろう、と語っています。
また、こちらのビジネスインサイダーの記事では、2020年現在、買収のターゲットとして魅力があるフィンテックのベンチャー7社を、下記のようにあげています。
Robinhood(手数料無料の証券)
Carta (未上場企業向けのエクイティ管理プラットフォーム)
MoneyLion(ミレニアル世代向けモバイルバンク)
Gusto (企業向け福利厚生などを代行)
Marqeta (クレジットカード発行プラットフォーム)
Interactive Brokers (証券会社間の取引ブローカー)
Chime (ネオバンク)
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